ROMAN 2
(指導者は森の広場で、一人でしばらく考えている)
「一生懸命考えて難しい局面を必死に打開しようと試みる選手たちに、私はただ『だいじょうぶだよ』という言葉しかかけられなかった。暑い日も寒い日も膨大な時間を費やして努力してきたことがわずか数分間のカウントダウンによって終わっていく。
多くのチームスポーツにおいて、今回のような残酷な瞬間はきっとある。行き過ぎた勝利至上主義を是正するため、小学生段階での選手権大会の見直し議論が各競技団体であるようだ。子どもたちを競技面での実力でチーム分けすることをチームカーストだとして否定的に考える人たちもいる。
決して大人のエゴであってはならない。しかし、指導者が子どもたちと同じ目線で、夢を追いかけることは悪いことなのだろうか。それぞれの力に応じたチームで練習することがあってもいい。時には、できる子たちがそうでない子たちを引っ張ればいい。トップチームができるのであればクラブの代表チームとしてみんなで応援できたらいい。
悔し涙を流す仲間がいるという幸せ。一生懸命努力すればするほど、仲間と過ごす楽しいひと時はその何倍もあるのだから。」
(「わしは神明台の森の妖精じゃぁ」)
「『残酷な瞬間』かぁ・・・わしはここで7年間見てきたよ。卒業してラグビーを続ける子もいれば、他の競技を始める子もいる。下級生には次の挑戦のチャンスがある。次のステージへの新たな出発の瞬間なんじゃないのかな。もっとプラスに考えればいい。この男にとっても、ここに集まってくる皆さんにとっても、浪漫なんじゃよ、浪漫。フッ、フ、フ。」
(ROMANはフランス語。夢や冒険などへの強いあこがれをもつこと。)
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